2017年6月10日土曜日

牧師の日記から(113
 64日(日)ペンテコステ主日礼拝。この日からマタイ福音書5章以下の「山上の説教」の講解を始める。一つには、宮田光雄先生の近著『山上の説教から憲法九条へ』に触発されたため。安保法制や共謀罪がまかり通る「新しい戦前」の時代において、改めて「山上の説教」を私自身が読み直したいと考えている。この「山上の説教」が、弟子たちにだけではなく、大勢の群衆に向けて語られていることの意味を考えさせられた。説教は、ただ礼拝堂の中だけに留まらず、その背後にある世界に届くものでなければならないのだろう。礼拝後、教会学校の生徒たちによるペンテコステ・イベント。8か国語で使徒言行録24節が読まれる。ロシア語やポルトガル語の聖書朗読は初めて聞くことができた。定例長老会では、8月の信徒講壇(茨木啓子さん)、9月の支区交換講壇(江古田教会・上林順一郎牧師)、10月の伝道礼拝(婦人矯風会主事・川谷淑子さん)などが決まる。
5日(月)井上良雄先生の『キリスト教講話集』Ⅳの校正が届く。来週半ばまでに戻さなければならない。明日の農村伝道神学校での二つの講演の準備と資料作りの作業。午後、日本聖書神学校でのNCAのボイス・トレーニングに参加。夜は、北支区の常任委員会に出席。帰宅して引き続き明日の講演の準備。
6日(火)農村伝道神学校戦争責任シンポジウム。午前は「日本基督教団の成立とその問題」、午後は「資料で見る戦時下の教会の実情」を講演。神学生たちだけではなく、近隣の牧師や信徒たちも含めて35人ほどの参加。久しぶりにお会いする人たちもいて嬉しかった。夕方帰宅すると、新教出版社から『キリスト教講話集』Ⅲの再校が届いており、9日までに戻せと言って来た。Ⅳの校正作業もあり、ちょっとタイトなスケジュールになる。夜は丹絵里加さんの受洗準備会。
7日(水)午前中、聖書を学ぶ会。出エジプト記33章から「後ろ姿の神」を取り上げる。この箇所は、「金の小牛」(32章)事件と「十戒の再授与」(34章)をつなぐ謎の箇所とされ、資料的にも不明な点が多いという。しかしこの箇所に、「神は恵もうとする者を恵み、憐れもうとする者を憐れむ」という宣言があり、さらに神の栄光が通り過ぎる時、人は岩の裂け目に神の掌に覆われて隠され、ただ遠ざかって行くその後ろ姿だけを遥かに仰ぎ見ることができるという詩的なイメージが提示される。午後はひたすら校正作業を続け、Ⅲの再校を戻す。
8日(木)午前中、キリスト教会館の三者協議会。午後から、NCAのプログラムとして、「日本キリスト教史を読む」という月に一度の連続講座の第1回。20名近くの受講者が集まった。教会員の萩原好子さんも参加してくれる。
9日(金)午前中は校正作業。午後、キリスト教会館に行き、NCAの臨時財務理事会。京都から理事長たちが出て来て、緊急の会議。その後、宣教研究所で資料を閲覧し、昭和14年から15年の時期の一般新聞の宗教報道を調べる。この時期から、キリスト教に対するバッシング記事が目立つようになる。

10日(土)明日の主日礼拝の準備。今週はちょっと忙しかった。(戒能信生)

0 件のコメント:

コメントを投稿