2017年2月5日日曜日

牧師の日記から(95
 129日(日)主日礼拝、創世記38章の「ユダとタマル」の伝承を取り上げ、「あるスキャンダル(醜聞)」と題して説教。このテキストを扱った講解はまず見たことがないが、名誉牧師の松野俊一先生の『創世記講解』にはちゃんと取り上げられている。それも参考にしつつ、このようなスキャンダルがイスラエル史に位置付けられ、イエスの系図に組み込まれていることの意味を改めて考えさせられた。午後は、ラグビーのトップリーグの決勝戦をテレビ観戦。夕食は、久しぶりに私が料理を担当すると、どうも直子さんの機嫌が悪い。準備の仕方が違うためらしい。家事分担もなかなか難しい問題がある。
 30日(月)東駒形教会での牧師の勉強会・月曜会で、内村鑑三の『代表的日本人』を取り上げて紹介と発題。西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮といった人々を代表的日本人として紹介したものだが、そのほとんどはこれが書かれた明治中期にはそれほど知られた存在ではなかった。必ずしも成功者とは言えないこの5人を取り上げてこの国の代表的精神とするとき、そこに既に内村なりの仕方での文明批評がある。内村の特に初期の著作には言葉の力があるように感じる。四書五経などの素読の経験から、音読の習慣があったからではないだろうか。帰宅して、『時の徴』の次号と『戦責告白50年』の校正作業。
 31日(火)一日中書斎に籠って校正作業、午後、何とか仕上げて出版社に送る。NCAの次年度事業計画を作成して京都の本部に送付。そして来週の定例長老会の準備等々。夕方、上林順一郎先生からの電話に慌てる。約束していたのをすっかり忘れていたのだ。急いで新井薬師までタクシーを飛ばし、駅近くの料理屋で、上林牧師と真﨑みよ子さんと食事。魚料理が中心の不思議なお店だった。金目鯛の揚げ物とか鮟鱇の煮物といった珍しい料理を堪能する。
 21日(水)午前中、聖書を学ぶ会で、出エジプト記19章を取り上げる。そこに、荒井献先生の紹介でプネウマ舎の中川和夫さんが訪ねて来る。祈祷会後、いろいろ話を伺う。NCAで中川さんを講師に、「出版状況の危機と、編集者から見た現在日本の知の状況」というような講座ができないかという相談。キリスト者遺族の会の井上健さんが亡くなって、この日の午後葬儀が行われた。私は出席できず、遠くから冥福を祈る。脳性麻痺という障害を負いながらも、ヤスクニ運動などで実に誠実な役割を担った人だった。
 2日(木)午前中一杯かかって、会館管理組合の決算予測や次年度予算、規約の一部改訂等の書類を整える。午後から会館に出向き、NCAの事務処理と管理組合の仕事。7階のテナントの窓枠に不具合があるということで、修理を依頼。来年3月の神学生交流プログラムの講師として、仙台の浅見定雄先生に来ていただけないか交渉する。夫人の介護で大変なようだが、前向きに検討するとのこと。

 3日(金)午前中、管理組合の役員会。次年度の予算の大枠の検討と、2月半ばに開催されるオウナー会議の準備。この職務も任期延長になる。(戒能信生)

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