2016年6月30日木曜日

牧師の日記から(65
6月26日(日)主日礼拝、創世記27章から、エサウとヤコブの兄弟争いの箇所を取り上げる。久しぶりに松野俊一先生が出席され、翌日、説教への感想と批評をメールで送って下さった。ご指摘はいずれも思い当るところがある。説教者は、ある意味で孤独なもので、説教の感想などを教会員に求めることはできないし、またすべきでもない。こういう仕方で、松野先生がアドバイスをしてくださって心に滲みる想いだった。お茶の会、CS教師会の後、弓町本郷教会へ。大澤宣牧師の就任式に出席するため。多くの人が集まり盛会だった。その後二次会まで付き合い、親しい牧師たちと楽しく話し合う。
27日(月)明日予定されている北支区教師会での講演の準備。特に、この北支区の地域に戦前どのような教会があったかを調べて、いろいろ考えさせられるところがあった。午後からNCA主催のボイストレーニングに参加。夜は日本聖書神学校での授業。この日は新渡戸稲造の生涯と信仰を取り上げる。新渡戸は内村鑑三と共に、札幌農学校でキリスト教に触れたが、アメリカ留学後クェーカ-の信仰に入り、それを生涯貫いた人。他方で第一高等学校長、東京大学教授、東京女子大学長、国際連盟事務局次長、貴族院議員など、この時期のクリスチャンとしては異例の「立身出世」をした「成功者」でもある。しかし終生彼の内面は孤独で、悲哀の人だったと伝えられている。
28日(火)雨の中を教会の前の道路で工事が続く。4:30から北支区の教師会。25名の牧師たちが参加。講演の後、ホールに会場を移し、津金さんと野口さん、直子さんたちが用意してくれたハヤシライスを一緒に頂きながら、新任教師の歓迎会。終了後、何人かの親しい牧師たちと荒木町に繰り出す。
29日(水)午前中、聖書を学ぶ会。創世記48章のヨセフの二人の息子の祝福の箇所を取り上げる。午後から西早稲田のキリスト教会館に行き、管理組合の仕事で、電気容量増設工事の可能性について、関係者や業者と協議。また8月2日にYMCA同盟を中心に熊本地震の支援活動のその後についての報告会を計画しているのでその準備。夜は次週の定例長老会の準備等。
30日(木)午後から、キリスト教会館に行き、NCAの仕事。来年から会館6階に移転してくる東京YMCAとの打ち合わせ。ところで、来年が「教団戦争責任告白」からちょうど50年にあたるので、『時の徴』を中心に記念出版をすることになり、その編集の責任を負わねばならなくなった。その企画と原稿依頼、関連資料の収集整理などで、また仕事が増えることになりそうだ。

7月1日(金)午前中は、農村伝道神学校の授業。夕方、信濃毎日新聞の記者が、8月の終戦特集で戦時下のホーリネス弾圧を取り上げるとかで、私が預かっている池田政一牧師関係の資料の取材に来る。夜はエパタ教会での支区連合祈祷会に出席する。この週もバタバタと忙しかった。(戒能信生)

2016年6月27日月曜日

2016年7月3日 午前10時30分
聖霊降臨節第8主日礼拝(No.14
     司式 野口 倢司
    奏  黙 想       奏楽 内山 央絵
招  詞  エゼキエル書36・26(93-1-49
讃 美 歌  19 
主の祈り  (93-5A) 
交読詩篇  詩編67・1~8
讃 美 歌  450
聖書朗読  ミカ書7・14-20
エフェソ書2・1-10
祈  祷
讃 美 歌  499

説  教  「ただ神の恵みによって」
戒能 信生牧師
祈  祷
讃 美 歌  484
使徒信条  (9341A
献  金  (対外献金 石岡教会会堂建築を覚えて)     鈴木志津恵
報  告
頌  栄  29
派遣・祝福
後  奏         
 
【本日の集会】
教会学校礼拝 お話し・戒能牧師、奏楽・内山央絵
お茶の会
定例長老会


2016年6月24日金曜日

牧師の日記から(64
6月19日(日)主日礼拝、エフェソ書1・15-23の講解説教。この手紙の教会理解について取り上げたが、なかなか難しい。礼拝後、「戒能牧師に何でも聞く会」で、昼食を共にしながら教会員の皆さんの様々な質問に答えさせられた。教会員の皆さんが牧師に期待していることがたくさんあることはよく分かった。夜、次男の謙の誕生日ということで、家族全員が集まって久しぶりに一緒に食事。父の日で、私も子どもたちからプレゼントを貰う。羊子からは、『須賀敦子の手紙』、渡辺京二『さらば、政治よ、旅の仲間へ』というディープな本のプレゼント。先週、常盤陽子さんから故・常盤新平さんのエッセー集を何冊も送ってもらったので、読むべき本が積み上がっている。
20日(月)午前中、東駒形教会での牧師の勉強会「月曜会」に出席。その足で日本聖書神学校に回り、NCA主催のボイストレーニングに参加。「主の祈り」を共に祈ることの意味を改めて考えさせられた。カトリック教会や聖公会の典礼では、声を合わせて祈ることが教えられているのに、教団の教会ではほとんど意識されていないという。夜はそのまま、日本キリスト教史の授業。内村鑑三についての学生たちのリーディング・レポートを聞き、コメントをする。現在の神学生たちの読み方は実に多様で、その点が興味深い。
21日(火)午前中、北支区の牧師たちとの神学読書会。武蔵野教会の佐々木潤牧師が発題してくれる。雨の中を14名が参加。内、信徒の方は4名。午後から、西早稲田のキリスト教会館に行き、管理組合委員会。夜は「戦争を許さないキリスト者の会」の講演会へ。講師は憲法学者の小林節さん。安保法制の問題と安倍政権への痛烈な批判を聞く。終了後、久しぶりに顔を合わせた親しい友人たちと一緒に食事をして、夜遅く帰宅。
22日(水)朝一番で、届いているメール等への対応。午前中は聖書を学ぶ会。創世記47章の、ヨセフの治政についての部分を取り上げる。古代エジプト史について、この国ではピラミッド等の考古学的な研究は盛んだが、政治史、あるいは社会史についての研究は少ない。古代エジプト社会が、土地はファラオに帰属し、国民は奴隷とされた経緯を、宰相ヨセフの功績として創世記が描いている点が興味深い。
23日(木)門前仲町の歯科医での定期検診のついでに、石井房恵さんのお店に立ち寄る。『こころの友』9月号から、4面のお料理の欄を石井さんが担当することになったのだ。私が紹介した関係でその様子を聞く。来月一挙に6回分の取材があるとのこと。午後はJBTSの紀要の論文校正に手を入れる。

24日(金)午前中は農村伝道神学校の授業。帰って来て資料を作成し、夜は支区教区問題委員会のためエパタ教会へ。北支区の地区割りの変遷と諸教会の推移について発題講演をする。今週もなんだか忙しかった。(戒能信生)

2016年6月19日日曜日

2016年6月26日 午前10時30分
聖霊降臨節第6主日伝道礼拝(No.13
     司式 高岸 泰子
    奏  黙 想       奏楽 釜坂由理子
招  詞  ロマ書5・5(93-1-53
讃 美 歌  6 
主の祈り  (93-5A) 
交読詩篇  詩編66・1~20
讃 美 歌  225
聖書朗読  創世記27・1-45
祈  祷
讃 美 歌  363

説  教  「兄弟の争い」
戒能 信生牧師
祈  祷
讃 美 歌  419
使徒信条  (9341A
転入会式            大森 意索
献  金            鈴木基三恵
報  告
頌  栄  28
派遣・祝福
後  奏         
 
【本日の集会】
教会学校礼拝 お話し・橋本悠久子、奏楽・戒能直子
お茶の会
週報等発送作業
CS教師会

弓町本郷教会牧師就任式(戒能牧師出席)

2016年6月16日木曜日

牧師の日記から(63)「最近読んだ本から」
トム・ボウマン『ドライ・ボーンズ』(ハヤカワ文庫)ペンシルヴァニア州の山間部の小さな村で起こった殺人事件を追う奇妙な味わいの警察小説。大都市の犯罪を取り上げるサスペンスと違って、「カントリー・ノワール」というジャンルで、シェールガスの採掘権をめぐる経済的相克を背景としながら、大自然の中で自立的に生きる人々の描写が興味深い。因みに、原題は旧約聖書エゼキエル書37章の「枯骨の谷」から採られているという。
小林哲夫『シニア左翼とは何か 反安保法制・反原発運動で出現』(朝日新書)最近、いろいろな市民集会に参加すると、圧倒的に高齢者が多いことに気づかされる。昨年夏の安保法制反対の国会前のデモもそうだった。だからこそ逆にSEALDsの若者たちが目立ったとも言える。柄谷行人が、年金生活者を含む老人たちこそが、これからの政治的希望だという意味のことをどこかで書いていたが、本書はそのシニア世代の左翼活動家たちを追ったルポルタージュ。時折、新聞の片隅に党派間の内ゲバ事件が報道され、私と同じ世代の活動家が殺害されたという記事を読んで、胸を突かれることがあった。そういうシニア世代の活動家たちの現在も丁寧に追っている。
筒井康隆『現代語裏辞典』(文春文庫)昔、ピアスの『悪魔の辞典』という小さな本があって、皮肉とブラック・ユーモアを交えて、言葉の再定義をしていた。日本の作家で、同じようなことをするなら筒井康隆だろうと思っていたら、案の定この本が出た。いくつか紹介すると、「キリスト 欧米では悪いことが起きた時にこの人の名『ジーザス』を言う。よほど悪い人であったようだ。」「聖書 最も多くパロディにされた書物」という具合だ。通読するものではなく、時々拾い読みして面白がっている。
村上春樹『村上ラヂオ③サラダ好きのライオン』(新潮文庫)著者の重厚な大作執筆の合間に、若い女性向けの雑誌『アンアン』に連載したエッセー集の第三弾。この人独特の軽い文体でスラスラ読めるのだが、見事に後に残らない。むしろ後に残らない文章を書くことを目的としているとしか思えない。音楽の世界にイージー・リスニングという言葉があるが、イージー・リーディングとでも呼ぶべきか。

吉田秋生『海街diary』1-7巻(小学館)羊子に勧められて読んだ漫画。この作家の作品はこれまでもいくつか読んできたが、この作品は特によく出来ている。両親を相次いで亡くした中学生の少女が、腹違いの三姉妹に引き取られて鎌倉で新しい世界を切り拓いていく物語。鎌倉や湘南の名所案内にもなっていて、観てはいないが、映画化もされたそうだ。昔なら小説家志望だった若者の多くが、現在ではマンガ家を目指すという。さもありなんと思わされた。(戒能信生)

2016年6月13日月曜日

2016年6月19日 午前10時30分
聖霊降臨節第6主日伝道礼拝(No.10
     司式 荒井 眞
    奏  黙 想       奏楽 内山 央絵
招  詞  ロマ書5・5(93-1-53
讃 美 歌  6 
主の祈り  (93-5A) 
交読詩篇  詩編65・1~14
讃 美 歌  392
聖書朗読  ヨナ書3・1-10
エフェソ書1・15-23
祈  祷
讃 美 歌  395

説  教  「頭としてのキリスト」
戒能 信生牧師
祈  祷
讃 美 歌  399
使徒信条  (9341A
献  金            柴田 哲子
報  告
頌  栄  28
派遣・祝福
後  奏         
 
【本日の集会】
教会学校礼拝 お話し・戒能牧師、奏楽・内山央絵、

礼拝後、「戒能牧師を囲んで何でも聞く会」(軽食の用意があります)なるべく多くの方がご参加ください。

2016年6月9日木曜日

牧師の日記から(62)「最近読んだ本から」
クリスチャン・カリル『すべては1979年から始まった 21世紀を方向づけた反逆者たち』(草思社)1990年「ベルリンの壁崩壊」以降の世界の政治は、従来の社会主義対自由主義の対立の構造から大きく変貌し、混迷を深めている。そのような転換の背後に、イランのホメイニ革命、ヨハネ・パウロ2世の教皇就任、イギリスのサッチャー政権の成立、そして中国の鄧小平による経済改革が同時期に並行して起こった事実に着目し、現在も続く市場経済至上主義と政治化した宗教の横行を重ねあわせて分析する意欲作。著者はジャーナリストで、ニューズウィーク誌の元東京支局長。私自身、ここに取り上げられている政治事象の時代を生きて来たが、それをつなげたり、文脈化して捉えることはして来なかったので、興味深く読んだ。
マイケル・ウォルツァー『解放のパラドックス 世俗革命と宗教的反革命』(風行社)著者はプリンストン高等研究所のリベラル派のユダヤ系政治学者だが、アメリカ同時多発テロ事件以降、聖戦論の立場に立ってブッシュ政権を支持して来たという。本書は、インド国民会議の民族解放運動、イスラエル建国運動のシオニズム、アルジェリアのFLNの三つのケーススタディを通して、世俗的かつリベラルな植民地解放運動が、結果として原理主義的な宗教の復興を招いた逆説を読み解こうとする専門的な研究書。私には歯が立たない部分もあったが、その問題意識は明快でよく理解できる。つまり現在世界で起こっている宗教と政治をめぐる事態は、従来の政治理論や神学理解では容易に説明できない。この著者には『出エジプトの解放の政治学』(荒井章三訳、新教出版社)という著書もあり、関心をもって拾い読みした。
田上雅徳『入門講義 キリスト教と政治』(慶應義塾大学出版会)キリスト教と政治の関わりを、古代から中世、そして近世から現在に至るまで概略的に解説した講義録。著者は1963年生まれの研究者だが、目を通した限りではきわめて正確にこれまでの議論を踏まえている。カール・バルトのドイツ教会闘争への参与や、戦後のラインホルド・ニーバーのキリスト教リアリズムなどについてもきちんと取り上げられていて、教えられるところが多かった。

トニー・パーカー(沢木耕太郎訳)『殺人者たちの午後』(新潮文庫)死刑制度を廃止しているイギリスでは、殺人犯受刑者たちも、再犯の可能性が少ないと見做されると釈放され社会復帰する。そういう10人の殺人者たちへのインタビューをまとめたもの。彼・彼女らがそれぞれ自分の言葉で犯した事件を振り返り、現在の心境を語っている。他に類書の見られないきわめて注目すべき証言集で、取り返しのつかない殺人の罪を犯した者の率直な告白を聞く想いがした。読後感は決して爽やかなものではないが、この著者のインタビュアーとしての力量に驚かされた。(戒能信生)

2016年6月5日日曜日

2016年6月12日 午前10時30分
聖霊降臨節第5主日礼拝(No.10
     司式 荒井久美子
    奏  黙 想       奏楽 内山 央絵
招  詞  ロマ書5・5(93-1-53
讃 美 歌  6 
主の祈り  (93-5A) 
交読詩篇  詩編64・1~11
讃 美 歌  70
聖書朗読  詩編102・13-19
エフェソ書1・3-14
祈  祷
讃 美 歌  50

説  教  「神をほめたたえよ」
戒能 信生牧師
祈  祷
讃 美 歌  414
使徒信条  (9341A
献  金            戒能 直子
報  告
頌  栄  28
派遣・祝福
後  奏         
 
【本日の集会】
教会学校 お話し・野口洋子、奏楽・内山央絵、

礼拝後、お茶の会、婦人会例会「新約聖書の女性たち⑪」ヨハネ福音書20118、発題・荒井久美子