2016年1月23日土曜日

牧師の日記から(42「コーヒーか紅茶か、はたまた日本茶か」
先週の牧師の日記の最後に、時折、近くの喫茶店にコーヒーを飲みにいくと紹介しました。すると早速、美味しいコーヒー豆を差し上げましょうと申し出てくださった方がいて、恐縮してしまいました。実のところ、我が家ではほとんどコーヒーを飲まないからです。直子さんがあまり好きではないこともあって、朝食もトーストと紅茶が普通です。
私自身もいわゆるコーヒー通ではなく、美味しいコーヒーかどうかについてはなはだ不案内なのです。ある時、親しい友人に、吉祥寺の有名な喫茶店に連れて行かれ、一杯2700円もするコーヒーを御馳走になりました。トアルコトラジャ?とかいうインドネシアから直接買い付けた希少な豆で、もちろん自家焙煎です。水は井之頭公園の湧水を使用しており、コーヒー茶碗もマイセンの器という触れ込みです。先ず、砂糖もミルクも入れないで飲んでみてくれと勧められました。確かにいい香りがするのですが、飲んでも普通に美味しいコーヒーでした。これが一杯2700円もするのかというのが率直な感想でした。喫茶店のマスターからコーヒーにまつわる薀蓄をいろいろ聞きながら、つくづく自分がコーヒー音痴?だということを思い知らされました。
これとよく似た経験を、中国茶でもしたことがあります。台湾で行われた台湾基督長老教会の国際会議に出席した時のことです。最初の日に、台南市のクリスチャンが経営するお茶屋さんに招待されました。有名な老舗で、海外から来たゲストだというので、昨年の全台湾茶葉品評会で一等賞を獲得したというお茶が特別に出されました。中国茶にもお点前があり、熱湯で茶器を温め、最初に煎れたお茶は捨て、ぬるめのお湯で煎れた二煎目を頂きます。同行した台湾人の牧師たちは、目を閉じ、身体を震わせ、呻き声を洩らしながら感動して飲んでいます。私も恐る恐る頂きました。しかしサントリーの100円の缶のウーロン茶と全く区別がつかないのです。「美味しいですね」と儀礼上言いましたが、これがそんなに高価で貴重なお茶なのかと思いました。
そんな私でも、日本茶の場合はいいお茶かそうでないかくらいはすぐに分ります。小さい時から日常的に飲み続けて来たからでしょう。コーヒーや中国茶も、子どもの頃から飲み慣れていれば、美味しいか不味いかくらいは分るのでしょうが、残念ながら私の場合、全く不調法のようです。

因みに、聖書にお茶やコーヒーは出て来るのでしょうか。聖書語句大辞典などで調べてみたところ、聖書に出て来る飲み物としては、水、乳(牛・羊・山羊)、そして葡萄酒が主で、後はせいぜい葡萄や柘榴などの果物を絞った甘い飲み物(つまりフルーツ・ジュースですね)しか出て来ません。中国原産のお茶や、エチオピア原産のコーヒーの類は、アブラハムやモーセも、そしてイエスやパウロも飲むことは未だなかったようです。
                                                                 (戒能信生)

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