2015年11月27日金曜日

牧師の日記から㉞「牧師の勉強会のこと」
週報や月間カレンダーに、牧師の勉強会や読書会の予定が書き込まれています。質問がありましたので、ごく簡単に紹介してみましょう。実は私は神学校を卒業していません。大学紛争もあって学部の途中で退学を余儀なくされ、立教大学のキリスト教学科に編入して卒業しましたが、牧師としての基礎的な学びや訓練が足りないと感じていました。最初の教会に赴任してすぐに自分の準備不足に気がついた私は、独りではなかなか勉強できないものですから、友人や先輩の牧師たちと一緒に、勉強会や読書会、研究会などを組織して勉強を続けることにしたのです。一時は、毎月10回以上の勉強会の案内葉書を出していた記憶があります。それはもう習慣のようになって、今でもいくつかの勉強会や読書会を続けています。
「月曜会」東駒形教会を会場に、月に一度月曜日の午前中、近隣の牧師たちが集まって読書会を続けています。取り上げるのは神学書が中心で、発題者がその内容を紹介し、参加者同士で自由に議論します。毎年クリスマスが終わった年末に、その年読んだ書物の著者をゲストに招いて忘年会をします。今年は、1228日(月)、新進のバルト研究者福島揚さんを招いて、バルト神学のこの国への受容の問題について講演してもらうことになっています。毎回10名ほどの参加者がありますが、忘年会には20名近くの参加があり、持ち寄りの食事会をして、一人一人この1年の懺悔をするのが恒例です。
「内面史研究会」今年の10月から新しく始まった富坂キリスト教センターの研究プロジェクトです。戦時下のキリスト教について、これまで戦争に協力したか抵抗したかの二者択一的な議論が多かったのですが、一人一人の内面に分け入って、その人に寄り添いながら検証しようという研究会です。研究員は日本キリスト教史の研究者が中心ですが、牧師も加わっています。私が座長で、年3回程度の研究会を3年間重ね、その成果を書籍にして刊行する予定です。私自身は大連日本基督教会の歩みを中心に、戦時下の外地の教会の実情に焦点を合わせてその実情を取り上げてみようと考えています。

『カール・バルトの教会論』読書会。『時の徴』の同人仲間である東北学院大学の佐藤司朗さんが、長年のバルト研究をまとめて大部な研究書を刊行されました。私も贈呈されたのですが、専門的な議論が多く、とても独りでは歯が立ちません。そこで『時の徴』の同人や購読者に呼びかけて、月に一度、信濃町教会を会場に読書会を始めました。1年かけて読み通そうという計画ですが、こんな地味で難解な専門書の読書会に果たして何人集まるか不安でした。ところが初回になんと27名もの牧師や信徒の参加がありました。著者の佐藤さんも毎回仙台から駆けつけます。(この項続く 戒能信生)

0 件のコメント:

コメントを投稿