2015年10月3日土曜日

牧師の日記から㉖「礼拝のためのボイス・トレーニング」
私が責任を負っている日本クリスチャン・アカデミーのプログラムの一つに、「礼拝のためのボイス・トレーニング」という講座があります。礼拝の司式、聖書朗読、説教等のためにボイス・トレーニングが必要ではないか(神学校でこういう授業はありません)という声に応えて、今年から新しく始まったプログラムです。私自身も、自分の聖書や式文の朗読に難を感じており、特に説教の言葉に訛りがあり、また早口になって発語が明瞭ではないことを痛感して来ました。私自身の必要からこの講座を企画したと言っても過言ではありません。講師は、元・劇団員で、声優の友野富美子さんです。日本聖書神学校での私の教え子の一人ですが、神学校の礼拝での彼女の聖書朗読や祈りには以前から深い感銘を受けてきました。この春卒業して牧会に出ているのですが、特にお願いして講師を引き受けてもらいました。
928日の午後、日本聖書神学校の教室をお借りして、第1回のプログラムが実施され、言い出しっぺの私も参加しました。

発声訓練から始まるのかと思っていたら、先ず自分の身体の各部分(顔や頭、肩や腕、そして足)に触ってその感触を確かめることから始まりました。それから、靴を脱いで裸足になり、足を組んで、その片方の足の指の間に手の指をしっかり入れてマッサージをしながら、参加者同士の自己紹介です。こんな姿勢で初対面の挨拶をしたことはありませんが結構楽しいものです。それから裸足で床に立つ姿勢の矯正です。まっすぐに立っているつもりでも、猫背になっていたり、背骨が曲がっていたりするらしいのです。自分の立っている姿勢のことなど考えたことがありませんでしたからちょっと途惑いました。次に呼吸の訓練です。息を吸って吐くという当たり前のことですが、これが発声に大きく関係するそうです。発声する時は必ず息を吐いており、発語の合間に無意識に息を吸っていることを改めて知りました。息を吐きながら「スー」という音と「ズ-」という音を出し続けるのとでは、後者の方が早く息切れてしまうことも初めて知りました。それ以外にもこちらの予想とは違う様々なエクササイズがゲーム感覚で次々に行われます。これがボイス・トレーニングとどうつながるのか半信半疑の中で、2時間のプログラムは終了しました。参加者は、全部で12人。牧師や神学生もいますが、信徒の方で礼拝の司式の際の発声や聖書朗読に自分で問題を感じている人たちも加わっています。ともかく、全部で5回のプログラムが終わると、講師の友野先生によれば、驚くほど発声や発語が変わっているそうです。どうぞ今からご期待ください。また、この講座は来年も開かれる予定ですから、興味のある方は覗いてみてください。(戒能信生)

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