2015年8月29日土曜日

牧師の日記から㉑『祈り こころを高く上げよう』のこと
フィリピ書の学びが終わって、次に「主の祈り」の連続講解説教に取り組もうと考え、研究書や参考文献を調べていました。そこに、隠退教師の渡辺正男先生から、『祈り こころを高くあげよう』(日本キリスト教団出版局)が贈られて来ました。『信徒の友』の巻頭に三年間連載した「祈り」を編集し直して、小さな本にまとめたものです。一読して深い感銘を受けましたので、そのいくつかを紹介します。
「夕映えの中で」(ヨエル書31
「神さま わたしの歩みは 夕日の未だ残っているような 人生の午後も遅い時間を迎えています。夕日の光の中に籠っている これまでの朝と昼の恵みを想起して あなたに感謝をささげます。夕映えの消えていく 人生の終わりにも 思いが及びます。それは 新しいいのちの始まりなのですね。神さま 今も あなたの深い計らいの内にあると信頼して なおわたしにできることを させてください。そして 御前に立つ心備えをしながら 前に向かう日々でありますように。」
「主イエスの背を見ながら」(マタイ福音書419
「天の父なる神さま 人の背には 時に 顔にも劣らぬ表情があります。頼もしく見える背があり、寂しそうな背もあります。年老いた背には その人の年輪が刻まれています。主よ あなたは わたしの背をどうご覧になるでしょう。神さま 信仰の友人たちの背に励まされ 支えられてきました。その友の背が 急に小さく見えることがあります。わたしの背も 心細げにみえるでしょうか。神さま 主イエスは『わたしについて来なさい』と言われます。頼りない者ですが、わたしも主イエスについて行きます。わたしたちの罪のために十字架の道を進まれる背を そして慈しみのにじむ背を見ながらついて行きます。」
「戦後70年の今」(Ⅰテモテ書212
「神さま 戦後70年の今 平和への思いを深くします。戦争の愚かさと悲惨を忘れませんように。どうか 国の負の歴史に目を閉ざすことなく 平和を志す政治が行われますように。神さま 最近 同調圧力という言葉を耳にします。近隣の国々に対する 過去の非人道的な行為を 口にしにくい空気が広がっているのです。自由な発言が制限される社会となりませんように。神さま 私たちは 平和を祈り求める教会でありますように。愛する国の歩みのために 為政者のためにも とりなしの祈りを続ける者とさせてください。」


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